そうなれば、効率的なスケジュールづくりを進めればいい。たとえば週のうち月曜日から水曜日は外出する日、それ以後は社内でミーティングや事務処理をこなす日、などと決めていくのです。
こうして大まかにまとめられれば、仕事の中身は自然と濃密になっていきます。いまの時代は、1人当たりのやるべき仕事が増えていますから、そうしないと間に合わないというのが現実です。
逆にスケジュールの主導権を仕事相手に委ねてしまうと、関連性のある仕事が週のあちこちに飛び石のように散らばります。移動の手間なども加わるため、これでは仕事の密度が薄くなってしまいます。時間の手綱を握らなければいけない、というのはそのためです。
さて、以上の考えにより、仕事を効率的にこなすことができるようになったとします。そのうえで、よくよく考慮すべきなのは「その仕事は本当に自分がやるべきなのか」ということです。
あなたは自分がやるしかないと思い込んでいるかもしれませんが、本当にそうでしょうか。誰かに任せることで、その誰かを育てることができるかもしれません。また、本来なら最優先すべきことを差し置いて、無理に時間を割いてその仕事に充てているとしたら、周囲に迷惑をかけているおそれさえあるのです。そこを見極めることが大事です。
一番よくないのは「忙しいから部下に仕事を頼む」という姿勢です。相手は敏感に「自分はたまたま暇そうに見えるから任されたのか」と思います。これでは部下のモチベーションは上がりません。
そうではなく、「私を成長させようと思って仕事を与えてくれた」と思わせなければいけません。それには「なぜ特定の相手にその仕事を振るのか」についての納得できる理由が必要です。
たとえば「○○さんは学生時代にデザインを専攻していたね。その知識や感覚が生かせると思うから、今度の仕事を担当してほしい」と言うのです。言外には「あなただから任せるんですよ」というメッセージが込められています。