アポの時間設定は自分で主導権を握る
では、どうやったら自分の時間を増やし、本来の仕事に集中することができるのでしょうか。それにはまず、「時間の使い方」を洗い出すことです。
仕事には大きく分けて2種類あります。相手があって自分だけでは動かせない仕事と、自分の裁量で調整できる仕事です。
相手のある仕事は、先方と当方との予定をすり合わせることからはじまります。とくに相手が得意先の場合、この段階で先方の意向を気にしすぎて、自分のペースで予定を立てられないということがままあります。たとえば「次の商談はいつにしますか?」と問われて、「来週ならいつでも結構です」と答えてしまう。これは絶対に避けなければいけません。
一見すると相手を尊重しているようですが、その時点で時間を確定できないということは、「うちとの仕事をさほど重要とは考えていないのではないか」「この人は暇なのではないか」と誤解されるおそれもあるからです。
それ以上に問題なのは、先方に「時間の手綱」を委ねてしまうために、主体的なスケジュールづくりができなくなるということです。もちろん現実には、日程に選択の余地がないこともしばしばです。
しかし、調整が可能なら、時間の手綱は自分で握るようにするべきです。自分のスケジュールに余裕があるように見えても、「火曜日の14時から15時、または水曜日の11時から12時のいずれかでいかがでしょうか?」と提言する。このように、あえて2、3の候補日・候補時間を選び打診するのです。
そうすることで、仕事について真剣に考えているというアピールができますし、当日までに資料整理をしておくなどの目安が立てやすいという利点があります。
もっと大きいのは、時間の手綱を自らが握ることで、相手のある仕事を「自分の裁量で調整できる仕事」に変えることができるということです。