「金利0.8~1.0%超」の商品が続々登場

定期預金においても、ネット銀行はメガバンクよりも金利を高く設定する傾向があります。図表1は主なネット銀行の預入期間別の金利比較です。

通常、定期預金の金利は期間が長くなるほど高くなる傾向にあります(金利動向にもよる)が、図表1を見ると、6カ月や1年の金利が高くなっているのが分かります(黄背景)。auじぶん銀行とUI銀行は、期間限定で所定の要件に該当した場合の金利です。

筆者作成

預金金利は銀行にとってのコストですが、それでも金利を引き上げるということは、他行との顧客獲得競争で優位に立つためだと思われます。そう考えると、短期の金利を高くする意味が分かります。

また、金利はあくまでも年表示であることにも注意が必要です。たとえば、キャンペーンで1.2%の表示があっても、3カ月定期なら受け取れる利息は元本に対して0.3%(1.2%×3/12)、6カ月定期なら0.6%(1.2%×6/12)です。

キャンペーン金利の期間が終わった後も、他行と比較して優位性がありそうかどうかを検討してください。

より安全性を求める人は国債がおススメ

いくら金利が高くても、大切なお金を店舗のないネット銀行に預けるのは抵抗があるという人もいるでしょう。そのような人には、定期預金と同じような感覚で利用でき、金利が相対的に高い個人向け国債が選択肢となります。国債とは国が発行する債券です。ここで、債券とはどんなものかを押さえておきます。

債券とは、国や地方公共団体、企業などが資金を借り入れたときに発行する借用証書の一種です。投資家は、債券の購入を通じて、発行体に資金を提供し、発行体は満期までの期間、決められた利子の支払いを行います。発行体が破綻しない限り、満期になると債券の額面金額が払い戻されます。

満期になる前に債券を売却することも可能ですが、債券の価格は発行体の信用度や格付け、満期までの残存期間などの要素により変動します。状況によっては、買い手がつかない可能性もあります。

また、金利が上がれば価格が下がり、金利が下がれば価格が上がるという関係にあります。つまり、債券には価格変動リスクや信用リスク、流動性リスクなどがあるのです。