「家政婦」の平均年齢は60代から70代
私自身は恵美さんだけでなく、数人の熟年離婚候補者から相談を受けているので、公益社団法人日本看護家政紹介事業紹介にも話を聞いてみました。
やはり、家政婦業界は人手不足で、多くの家政婦紹介所で求人募集をしているそうです。
家政婦の平均年齢は60代~70代が主流で、80代でも現役で働いている方もいらっしゃる様です。利用者の方と相性があいマッチングが上手くいけば、長く働くことも可能です。利用者の方も、何も言わなくてもツーカーで家事や介護をしてくれる人はありがたいでしょう。
また、求められるのは「お客様のプライバシーを守れる人」。人様の家庭に介入するのですから、おしゃべりな人は好まれないようです。この条件、恵美さんは合格です。さらに、家政士検定という国が認定する試験があり、この資格取得者は紹介所によっては時給が高くなるとのこと。働く時間も、利用者さんとの話し合いで自由に設定ができるのも、良い点です。おまけに、無料の研修があり、家事スキル・調理スキルをUPするセミナーもあるとか。また、万が一の場合の賠償補償制度もあるそうです。
“専業主婦”は使えるスキルである
恵美さんにスーパー主婦のA子さんの件などについて話したら、早速近所の紹介所に登録に行き、現在介護の資格取得に向けて勉強されているようです。15歳の長女が、大学に入学するまでは自分のスキルをあげることを優先し、少しずつ働く時間を増やしていくとか。「自ら稼ぐ」という覚悟が固まり、未来を向いて進んだら、表情も明るくなり雰囲気も変わってきたように見えます。
2025年現在、認知症の高齢者は471万人いるとされていますが、2040年には高齢者の約15%にあたる584万2千人にのぼるだろうとNHKが報じています。
今後ますます、自宅での介護の需要は高まるのではないかと思います。もし「将来的に離婚を考えたい」また「四六時中、定年後の夫と過ごしていると息がつまる」という方は、まずは得意な家事に加えて介護の資格を取得し、W資格の勉強に励んでみてはいかがでしょうか?
何も専業主婦だからと卑下することはないのです。そのスキルはご自身が長年培われ、磨いてきたものです。自立に向けて素晴らしいスキルをさらに磨き、一歩踏み出そうとする皆さんを応援しています。