中国関連ではないが、「人から機械へ」という流れでFA部品メーカーも元気だ。たとえばFA用計測機器を手掛けるユニパルスは、12年9月期で2期連続営業最高益を更新する見込みだ。(※雑誌掲載当時)

「同社の売り上げは安定しています。計測機器はFA全体で見れば小さい部品にすぎず、値切ってもコストダウンの効果は小さい。そのため性能や品質で実績がある同社製品から低価格品に乗り換えるメリットは少なく、その結果として価格競争にさらされにくい。また新規よりリピートオーダーが多いことも安定的な売り上げに貢献している」(TIW社長 藤根靖晃氏)

他「社」力本願:収入が減ったのに利益が増えたのはなぜか

長年の努力がようやく実を結び、ビジネスモデルの転換に成功した会社もある。キティちゃんのキャラクターで有名なサンリオだ。じつは同社の12年決算は減収増益だった。売り上げが減って利益が増えたのは、物販からライセンス事業へと軸足を移しつつあるからだ。

「キャラクター商品を自社で売れば売り上げは増えますが、利益率は低く、在庫リスクを抱えることになります。それより他社にライセンスを与え、使用料やロイヤルティをもらったほうがリスクは小さい。他社に頑張ってもらえば何もしなくても分け前がもらえるのだから、これほどおいしい商売はありません」(和島氏)

自社製にこだわらず、上手に他社の力を利用して利益をあげる、他「社」力本願のビジネスモデルだ。ただ、ライセンス事業は、キャラクターの認知度が高くないと成立しない点に注意だ。キャラクターを世間に定着させるためには、まず自社でリスクを取って物販をやる必要がある。サンリオがライセンス事業に移行できるのも、キティちゃんの物販という種まきを地道にやってきたからにほかならない。