2015年の総選挙は、NLDにとって政権奪取と憲法改正を賭けた大勝負である。NLDは、2010年の総選挙をボイコットした経緯があるが、2015年の選挙は、まさに真っ向勝負、初の天下分け目の戦いになる。もちろんこの選挙が2008年ミャンマー連邦共和国憲法に規定されている複数政党制に基づく公正な選挙が履践されることが前提であることは言うまでもない。

NLDは、この選挙で、現行憲法の改正を目指している。2008年憲法では、スーチー女史が、大統領(国家主席)に就任できない規定が残っているからだ。また、議会の4分の1が軍人の固定席であるということからも、真の民主憲法とは言えない。現状、NLDの議会勢力は全体の10%にも満たない。軍人の固定席である4分の1の議会において、3分の2以上のマジョリティを獲得して憲法改正を成し遂げるためには、NLDは選挙に圧勝する必要がある。2015年には70歳になるスーチー女史が、大統領に就任するためには、次回選挙で圧勝することが最後のチャンスであろう。

では、NLDは2015年総選挙で勝てるのか? 現テインセイン大統領の民政移管後の改革によって、ミャンマーは開国され、国は著しい経済成長を遂げ、国民の生活は豊かになりつつある。現政権に対する国民の支持も高まりを見せている。そのようななか、NLDは、そろそろマクロな人権主義を掲げたスローガンでだけではなく、具体的な政策とその遂行能力たる政権担当能力を、国民に示す必要がある段階に入ってきている。憲法改正後の目指すべき国家像、外交方針、経済政策、民族紛争の解決など、具体的な政策提示が求められてきているのだ。