60代・70代を迎えると片づけができなくなる
「いつか片づけよう」という言葉をよく耳にしますが、片づけられる期間にはタイムリミットがあります。60代・70代になると突然病気になったり、体調不良が多くなったり、体力や筋力の低下などで、家のモノが片づけられなくなっていきます。
さらに、高齢になっていくと買い物が頻繁に行けなくなったり、備蓄も増え、家の中の移動さえしんどくなって、家中のいたる所に同じようなモノが増えていきます。認知症などで物忘れもひどくなれば、よりモノが増えていくでしょう。
だからこそ、あなたも両親も、若くて元気なうちに、早めに片づけておくことが大事です。増えたモノが放置されたままになれば、今まで述べてきたように、必ず身内が遺品整理で辛くて大変な思いをすることになります。だから、できることを少しずつ始めていきましょう。
「まだできること」を楽しめる環境をつくろう
悲しいことではありますが、60代・70代を迎えると、年齢と共に「できないこと」が増えていきます。長距離移動が辛くなったり、重いモノが持てなくなったり、高い場所のモノが取れなかったり、屈みにくくなったりします。
体の状態を見つつ、あなたも両親と共に「使わなくなったモノ」を片づけていきましょう。よほど思い出のあるものじゃない限り、残す理由はありません。
例えば、乗らなくなった車やバイク・自転車、使わなくなった趣味グッズや習い事アイテム、長距離用旅行グッズなどです。おそらく、玄関収納や車庫、物置、押し入れ、クローゼットなどの収納に「使わなくなったモノ」がたくさん保管されていると思うので手放しましょう。
その代わり、「まだできること」を存分に楽しめるような環境づくりをしましょう。70歳になっても、80歳になっても、料理やテレビ、映画、読書、作品作り、散歩、カメラ、ガーデニング、小旅行を楽しめる人は多いと思います。そこは「生きがい」ですから、多少モノが増えてもいいと思います。
そんなふうに、年齢や体の状態を把握しながら、人生を楽しめるように、暮らしやすいように住環境を変化させていけば、いざサポートや介護が必要になったときに、家族や介護ヘルパーもサポートしやすくなります。万が一亡くなったときも、家に残されたモノは比較的簡単に遺品整理ができるはずです。