実家の生前・遺品整理で親とトラブルになってしまう場合、どうすればいいのか。ミニマリストのTakeruさんは、「モノの所有者本人が『全部捨てていい』『好きに片づけて』と言ってくれるのは稀である。トラブルや双方のストレスを減らすためには、4つの心構えを意識してほしい。とくに聞くタイミングは重要だ」という――。

※本稿は、ミニマリストTakeru『60日で9割捨てる片づけ術』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

段ボール箱に衣類を詰める母と娘
写真=iStock.com/bojanstory
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生前整理・遺品整理の心構え

「生前整理」とは、あなたや両親が元気なうちに、生きているうちに「手放すモノ」「残すモノ」を決めて片づけることです。そして「遺品整理」は、故人が残したモノを整理して住居をキレイにすること。この「生前整理」「遺品整理」の両方に共通して、片づけるときの心構えとして大事なポイントがあります。

心構え①捨てる前に必ず本人確認を取る

所有者本人や周りの家族が「全部捨てていい」「好きに片づけていい」と許可をもらえればいいのですが、普通はそううまくいきません。勝手に捨ててしまうとトラブルの元になりますので、面倒ですが一つひとつ確認を取るようにしてください。

そして「いるか、いらないか」を聞くときは、不機嫌なときや忙しいときは避けたほうがいいでしょう。本人はそれどころじゃないので、「全部いる!」となってしまう可能性が高いからです。できる限り上機嫌のとき(余裕があるとき)であれば、「いるか、いらないか」を冷静に判断しやすくなります。

心構え②「役目を果たしたモノ」「使ってないモノ」だけ手放す

片づけでは、大事なモノまで手放さないことが鉄則です。遺品であれば、そのほとんどが「役目を果たしたモノ」になりますが、生前整理であれば「生活の中で使っているモノ」と「役目を果たしたモノ(使ってないモノ)」を見極めて片づけましょう。

感謝を伝えて手放す・こまめな休憩をとること

心構え③「役目を果たしてくれてありがとう」と感謝して手放す

たとえ不要なモノだとわかっていても、一つひとつのモノに感情移入して手放せない場合があります。そんなときは感謝しながら手放してみましょう。

両手を合わせて合掌したり、ギュッと抱きしめながら、「役目を果たしてくれてありがとう」「生活を豊かにしてくれてありがとう」「幸せを与えてくれてありがとう」「たくさんの思い出をありがとう」「お疲れ様」「ゆっくり休んでね」と、心からの敬意を払うのです。

別れ際にきちんと感謝の気持ちを伝えることで、手放すストレスが軽減し、寂しい気持ちが薄れ、前向きに手放しやすくなるはずです。

心構え④無理をせず、余力を残しながら片づける

生前整理も遺品整理も体力勝負・精神力勝負です。部屋の臭いがキツかったり、汚いモノを何度も目にしたり触れたりします。だから決して無理をせず、余力を残しながら片づけましょう。

僕も、祖母と叔父の生前整理のときは、1〜2時間ごとに休憩をとり、水分補給をして、新鮮な空気を吸いに散歩をしたり、片づけ終わりには疲れを癒しに銭湯へ行ったり、美味しいご飯を食べ、夜はぐっすり寝ていました。

そんなふうに、自分でうまく体調を整えながら少しずつ片づけを進めていきましょう。片づけは「マラソン」と同じです。短距離走のようにいきなり全力では、体も心も持ちません。余力を残しながら片づけ続けることで、必ずゴールが見えてきます。