女児をひざの上に載せ…

Mは89年から08年にかけて、広島県内の6校の小学校に勤務しているが、教師になって2年目から、上記の犯行に及んでいたことがわかっている。

「被告本人の上申書によれば、これまでに延べ27人の生徒が被害に遭っています。罪に問われたのは、01年から06年にかけての犯行。この時期に勤務していた小学校での、生徒10人に対するものでした。そのようにしたのは、これ以上に審理件数を増やしても、量刑は増えないということと、いたずらに公判期日が延びることを避けるための判断だとみられています」(司法記者)

こうして始まった公判のなかで明らかになった犯行内容は、教育者にはあるまじき卑劣なものだった。

「教え子で気に入った女児がいると、Mはまず膝に乗せて反応を見ながら、徐々に胸などを触り、拒否や抵抗を示さない生徒を選りすぐっていました。そして、空き教室や自家用車内などの人目につかない場所で女児を性的暴行。その際にはあらかじめ、ビデオカメラや女児の履き替え用のパンツ、さらにマット、潤滑用のジェルやローターなどの玩具まで用意していました」(捜査関係者)

写真=iStock.com/10max
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「もし誰かに話したら写真をバラまく」

たとえ暴行の恐怖で女児が泣き叫んでも、行為は続行されたという。

Mは公判中に「嫌がる児童に(性行為を)続けることはなかった」と否定していたが、判決公判で裁判長は「被告の証言は信用できない」と断言。家宅捜索で押収された、犯行を録画したDVDの中で、嫌がる女児に対する性行為の際に、「今日は入りにくいワ」などと、Mが口にしていたものがあることが明らかになった。

なお、これまでにMが撮り貯めてきた動画のなかには、暴行の様子とともに、周囲の教室での授業の音声や、外で遊ぶ生徒の声なども入っていたことがわかっている。前出の捜査関係者は憤る。

「Mの犯行が悪辣あくらつなのは、嫌がる幼い児童に対して『それなら勉強を教えない』と脅したり、無視と称して口をきかなくなったりの嫌がらせを繰り返し、要求を受け入れさせていたことです。

また彼は、特定の女子に対してだけ、他の児童がいる前でジュースをあげるなどの『えこひいき』をしており、気に入られている子とそうでない子の差別化を煽っていました。

そんなMですが、女児への性的暴行が露呈することへの恐れはあったようで、犯行を終えてからは、口止めを企図して、『もし誰かに話したら勉強もスポーツも教えない』や、『(撮影した)写真をバラまく』と脅したりもしています」