相手の「自宅沿線の店」を選ぶ

こちらが飲み会をセッティングするときは、相手のキーパーソンがどこに住んでいるかを事前に確認してもいいでしょう。

相手が女性の場合は、マナー上、最寄りの駅は聞きづらいでしょうから、「何線を使って帰るのか」「どこのターミナル駅を使うのか」をさりげなく聞くだけでも十分です。本人に聞けないときは、ほかのメンバーに探りを入れてもいいでしょう。

大切なのは、キーパーソンが自宅に帰りやすい場所にあるお店を予約すること。理想は、キーパーソンの会社と自宅の間にあって、一度も乗り換えが発生しないような場所です。

たとえば、キーパーソンの会社が東京の品川にあって、飲み会の会場が池袋だったらどうでしょう。キーパーソンの自宅が池袋駅を通る電車の沿線にあれば、帰りは乗り換えなしで帰ることができます。

しかし、キーパーソンの自宅が品川駅を通る電車の沿線にあったら、そのキーパーソンは「面倒くさい」と思うはず。品川駅も池袋駅も山手線でつながっていますが、ほぼ反対側にあるので、最短でも約30分かかります。

飲み会のあとに、また30分かけて品川駅まで戻るのは、かなり億劫に感じるはずです。

写真=iStock.com/Mindaugas Dulinskas
※写真はイメージです

いざというときタクシーで帰れる場所が理想

私の経験から言えば、相手が飲み会をするにあたって心配するのは、帰宅時のことです。お酒を飲んだあとに、何度も電車を乗り換えて帰るのは面倒ですし、ほかの酔っ払いと一緒に長時間、電車に乗ることは避けたいはずです。

翌日の午前中に重要な仕事が入っていたりすれば、なおさらストレスなく帰りたいと思うでしょう。

そんなとき、乗り換えなしで帰れる場所や、いざというときにはタクシーで帰れるような場所で飲み会がセッティングされれば、帰りの電車や経費のことをあまり気にせずに、リラックスした気持ちで会食を楽しむことができるでしょう。

何よりも、帰りのことまで気を遣ってくれた相手に対して、好印象を持つに違いありません。

飲み会の場所は、相手の自宅の最寄り駅沿線にあるお店を選ぶのが原則です。

それを理解したうえでほかのお店をセッティングするのであれば、それ相応の理由が必要になります。

「この夜景がキレイな席は、無理を言ってとってもらったんですよ」
「ここは、一見さんは入れない特別なお店だったので、わざわざ足を運んでいただきました」
「日本酒が好きな○○さんに、ぜひ飲んでいただきたいお酒があるんです」

このように、「自宅の最寄り駅沿線」という原則を破ってまでも連れてきたかった理由を、先に伝えておく必要があります。