新聞は無理して読むものではない

【高井】さっきオススメと言ったけれど、今回の「迫真」は僕は読んでません(笑) 「1」と「2」を読んで、今回はあまり面白くないなー、と感じたから。

連載記事は、全部じゃなくていいので、初回はひとまず読んでみる。イマイチだな、と思ったら、次の日からしばらく読まなくていい「塊り」として飛ばす。社説と「迫真」を読まないと、総合面の右ページは2本くらいしか記事はないわけです。

【布施川】それだとサクサクめくれそう。

高井宏章『新聞のススメ 1日15分でつくる教養の土台』(星海社新書)

【高井】「迫真」以外に1面の企画も読む価値が高いものが多い。これもすごい手間がかかってるから。ただ、初回か2回目まで読んで、つまんなかったら読まなくてもいい。無理して読むようなものじゃないから、新聞は。

読まない記事を見極められると、楽にスラスラとめくっていけるようになる。情報摂取の効率が格段に上がる。僕の場合、「作る側歴28年」の蓄積があるから、見出しを見たらほぼ中身が分かる。全部読む記事の数はすごく少ない。でも「読まないものにお金を払うのは損」じゃない。見出しは目を通しているから。

【新倉】見出しだけでも読む価値がある?

【高井】やってみれば、言ってる意味がわかると思うよ。何度も言うけど、新聞は連続テレビ小説なので、毎日読んでいると「あ、ここ知ってる」が増える。そうすると中身まで読む部分が減っていきます。「これは昨日の続きだ」とか「これはまとめだ」みたいにスルーできる場所が見えてくる。とにかく最優先は「めくる習慣」を定着させること。

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