忙しくともここだけは読むべき

【高井】新聞の基本的な構成もざっと話しておきましょう。その日で一番大事な話が「1面」つまり1ページ目に入るのは分かるよね。1面にプラスして、大事な話は3面までに載っている。1、2、3ページ目までが超重要。

【布施川】3面までですか。

【高井】日経新聞の場合、開くと「総合面」となっているでしょ。1面と総合面、この3ページの重要度がクリティカルに高い。新聞の編集者が「全読者が読むべき」と考えるニュースを選び抜いて載せている。4面から先は各ページの左肩か右肩に「政治経済」とか「マーケット商品」とかジャンル別の分類が書いてあるでしょ。そこから飛び出すほど重要なニュースが総合面に集められているわけです。

【新倉】じゃあ、この「医療介護職急増」ってニュースも、重要度が高いと判断したから、前の方に繰り上がってきたんですね。

【高井】そう。後ろの方に置くと埋没しがちだから、読み落とす人が出てくる。読者がスルーするにはニュースバリューが高すぎると判断されたわけ。その中でも見出しやニュースの置き場所で重要度の重みが分かるようになっています。

だから、忙しくても、1面から3面までは毎日、最低限でも見出しには目を通した方がいい。このレイアウトが持っている情報量が紙の新聞のすごく大きな価値です。

【布施川】なるほど。

写真=iStock.com/simonkr
※写真はイメージです

ひとまず読まなくていい記事

【高井】総合面のニュースの選び方は、新聞ごとのカラーによって変わります。日経新聞はビジネスや経済の視点で重要だと判断したら、前に持ってくる、みたいな。

それと、これは新聞全般に当てはまるルールだけど、見開きの両方に記事が入っていたら、左の面に重要なニュースが載っています。だから2ページ目の「総合1面」より3ページ目の「総合2面」の方が大事。

【新倉】そうなんですか。

【高井】総合面以外も同じです。ここの見開きを例にとると、右面にも左面にも株式や為替のマーケットとか金融のニュースが載っている。で、左面はグローバルなニュース、右面は日本の話題でちょっとスケールが小さくなっている。中身を見ても左の方に重要ニュースが並んでるね。本の場合はページ順に読むわけだけど、新聞は左面のアタマ記事から読めばいい。その面の中では見出しが大きい順、目立つ位置に置いてある順に大事な記事。

【新倉】そういうのを教えてもらえると、読みやすくなりますね。

【高井】ついでに、ひとまず読まなくていい記事を伝授しておこうか(笑)

【布施川】それは助かります(笑)