では、ユーモアセンスは鍛えることができるものなのか。大島氏も内藤氏もユーモアセンスは「1つのビジネススキル。後天的に身につけるもの」と断言する。

図を拡大
図3

ユーモアセンスを身につける方法として大島氏が勧めるのは、発想の柔軟性と言語能力を高めるための訓練だ。「図3のようなパズルで、頭を柔らかくしてみましょう。『パイプ椅子の使い方を10通り考えてみる』なども、よい訓練になります。最初の3つ4つは簡単に浮かぶでしょうが、そこから先は絞り出さないと出てきません。常識を取り払うことを迫られるので、おもしろいアイデアが出るようになるのです」(大島氏)。

こうしたトレーニングは、問題にぶつかったときにいろいろな切り口で分析し、多くの解決策を考え出すことにも役立つ。

内藤氏は意外なことに、「相手にウケる冗談を言う必要はまったくない」と言う。

「人を笑わせることがユーモアの目的ではありません。まずは自分が楽しむこと。全然ウケないおやじギャグを連発してもいいんです。ギャグをたくさん思いつくということは、視野が広くて発想力があり、それを楽しめる楽観性があるということ。心理学者ならそんな人のことを、ユーモアがあって、仕事の能力も高いだろうと予測しますね」

心理学用語に、「感情感染効果」がある。人は目の前の人の表情に釣られてしまうのだ。「ウケないおやじギャグでも、自分が笑えば、相手も笑う。最初は演技でもいいので、いつも笑っていることを心がけましょう」(内藤氏)。

自分も周りも楽しい気分になり、仕事の成果も上がる。一石三鳥が狙えるのが、ユーモアなのだ。

(AFLO=写真)
関連記事
デーブ・スペクターに学ぶ、嫌われないダジャレ
吉本芸人が指南! 編集部一の堅物クンが大変身
苦手な相手を従わせる「場の空気」のつくり方
自分が失敗をしたときのユーモアレトリック
「創造的人材」にどこまで自由を許すべきか