性格はトレーニングで変えることができる

ジェームズ・アレンの言葉を借りれば、「自分の心の庭を見てごらんなさい。本能に満ちあふれ、自分だけよければいいという欲望、怒り、嫉妬、愚痴、不平不満で荒れ放題になってはいませんか。なぜ、手入れをしないのでしょうか。本能で満ちあふれて汚れた心を手入れし、そこに優しい思いやりに満ちた草花の種を、感謝の心という種を植え、育てていくべきですよ」ということです。

みなさんもぜひ、毎日のようにそれを実行してみてください。そうして立派な心にしてください。立派な心になっていくに従って、人柄がよくなっていきます。人柄がよくなっていくだけではなくて、性格がよくなっていきます。「あの人は若い頃に比べて、すばらしい人に変わっていったな」と言われるようになる。

性格というものは、日常からそういうトレーニングをしていくうちに変わっていき、次第に人柄がよくなっていくのです。性格が変わり、人格が変わっていくわけです。

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大会社をつくることが「成功」ではない

毎日毎日、自分で反省をするようにしてください。例えば夜、寝る前に少し目をつむり、今日1日のことを静かに考えてみる。

稲盛和夫『「迷わない心」のつくり方』(サンマーク出版)

欲望、怒り、不平不満、愚痴に満ちあふれた1日であったことを反省し、これではいけない、もっと優しい人間になろう、もっと明るい人間になろうと自分に言い聞かせていく。それが心の庭の手入れになるのです。

心の庭の手入れを毎日のように繰り返し、努力をしていけば、人間性はだんだん変わってきます。人柄が変わっていきます。親が見ても、先生が見ても、周囲の人たちが見ても、「あの人は変わったな。どうしてあんなふうなすばらしい人になったんだろう」と思うくらいに心が変わっていきます。

立派な心、優しい思いやりの心を持つということが、実は人生における一番の成功なのです。人生の目的とは、大会社をつくることでも、立派な研究をすることでもありません。立派な人間性、立派な人柄に変わっていくことが人生の目的であり、それが一番の手柄となるわけです。

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