燃費を重視するか、ステルス性を重視するか

アフターバーナーを作動させて超高速で飛べば、東京から北海道まで約20分で到達できる計算になります。ただし、それはあくまで計算上での時間で、実際はそんな飛び方をすることはあり得ません。

アフターバーナーを作動させると、当然、燃費は悪くなります。F-15の燃料タンクを満タンにしても、常にアフターバーナーが作動していたら30分が限界でしょう。離陸から帰投まで30分、上空に30分しかいられないとしたら、戦闘機としては役に立ちません。

前川宗『元イーグルドライバーが語る F-15戦闘機 操縦席のリアル』(河出書房新社)

実際の戦闘では、燃料の消費を抑える飛び方が要求されます。まず、離陸したらできるだけ早く高高度に上昇します。高高度は空気密度が低いので、燃料の消費を抑えることができます。いざ戦闘というときには、必要に応じて高度を下げたり、アフターバーナーを使用したりします。そして、また上昇して帰投する、というように使い分けます。

ちなみに、燃料の消費を考えず、敵に発見されないことだけを考えれば、地上または海面スレスレをうように飛ぶのも1つの方法です。

しかし、その飛び方では燃費が悪くなります。状況によって何を重視するかで、飛び方はまったく変わるということです。

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