「特定の人に頼らない仕組みをつくる」最大の強み
特定の人に頼らない仕組みをつくって、事業を回す。それがユニクロの最大の強みであり、柳井さんが長年かけて取り組んできたことなのです。
側に仕えてしみじみ思うのは、柳井さんは本当に天才的な創業経営者で、右脳・直感・商売人としての嗅覚に優れた人だということです。ある日突然「バングラとニューヨークはつながっているんです!」と言われて面食らい、その後、真意・本質を聞いてなるほどと納得したような経験はたくさんあります。
その卓越した閃き・ビジョンを言語化・形式知化し、経営としての実行に移し、成果を出していくためには、組織としての仕組みがMUSTでその必要性を誰よりも認識されていたのが柳井さんなのです。
後ほど詳しい話をしますが、経営者として若いころから経営理念や経営の原理原則を自らの手で多く書き溜め、自らそれを教えることをやってこられた柳井さんの経営姿勢そのものが、ユニクロにとっての仕組み化の重要性を物語っています。