「旅行費用が安い都市ランキング」で東京は世界4位
英国の郵便サービス企業「ポスト・オフィス」が毎年発表する「世界の休日コスト・バロメーター」2024年版の「旅行費用が安い都市ランキング」で、東京は、前年の8位から4位に上昇した。英ポンド高(円安)と日本の物価の低下が主な理由だという。
このランキングは、英国人が海外旅行先で使うレストランのコース料理やビール、コーヒー、日焼け止めクリームなどの値段をポンド建てで比較したものだ。トップはベトナムのホイアン、2位は南アフリカのケープタウン、3位はケニアのモンバサだ。ランキングの上位には、発展途上国の観光地がズラリと並ぶ。
その中で、先進国日本の首都・東京は異彩を放っている。旅行先としての東京の魅力の源泉は、オモテナシや美味な食べ物、美しい風景というより、途上国のリゾートと同様、何よりも訪問先での費用の安さのようだ。
「姫路城の外国人の入場料を4倍に」と語った姫路市長
2024年2月、東京・豊洲市場に隣接して開業した観光商業施設「豊洲 千客万来」は連日、外国人観光客で大賑わいだ。
7月の平日の午後、ふらりと訪ねてみると、真夏日の猛暑にもかかわらず、屋外のメーンストリートの豊洲目抜き大通りはぎっしりと人で埋まっていた。立ち並ぶ飲食店を覗いてみて驚いた。牛肉の大串が880円(税込み)などリーズナブルなものも多いが、「WAGYU」と銘打った特選A4ランク黒毛和牛串は3300円(同)。それに「極上いくらおろし」をのせた串は、何と4400円(同)という値段だ。この場所だけ、「外国人租界」ではないかと錯覚するような値付けだ。
それでも、外国人たちは、「本国で食べるより、新鮮で値段もリーズナブル」と言わんばかりに、満足気な表情で買っていく。日本人観光客も来ているが、見ている間に、黒毛和牛串を注文する人はいなかった。比較的に安いまぐろ串の店などには、行列ができていた。
2024年6月、世界遺産で国宝の姫路城(兵庫県姫路市)の外国人入場料について、清元秀康市長が約4倍に引き上げる案を国際会議関連行事で示して、話題になった。日本経済新聞によると、この席で、清元市長は「姫路城には7ドルで入れるが、もっと値上げしようかと思っている。外国の人は30ドル払っていただいて、市民は5ドルぐらいにしたい」と発言した。
姫路市によると、2023年度、姫路城に入城した外国人は前年度比約35万人増の45万2300人だった。外国人の入城者が年間40万人を上回ったのは初めて。総入城者数は147万9567人で、外国人が31%を占める。ますます重要なマーケットになっている外国人観光客からしっかりお金をいただこうという算段だ。