価値の対価を見失うインデックスのリスク

安いといえば、インデックスファンドは悪いものではありませんが、言ってみれば、お正月の福袋のようなもの。

「その中には何かいいものが入っているかもしれない」「安いから買おう」、そういった福袋の妙味を味わいたい人には向いているかもしれません。ですが、“何かいいもの”も中にはあるかもしれませんが、全く欲しくないものも入っていることでしょう。

もちろんインデックスファンドを積み立てることは、手段として賢いやり方です。しかし株式市場というのは、そもそも上場している企業の「価値創造」を反映したもの。つまり、その企業が良い価値を創れば、その良い影響が世の中に及び、株価が上がるというのが基本的な考え方です。

ですが、インデックスを見ているだけでは、なかなかその価値は見えません。見えるのは、目の前の価格、数字だけなのです。

通常、我々が買い物をするときに、たとえばこのジュースが美味しいよね、「100円なら買おう」となります。でも、ジュースの価格が5000円になれば、どんなに美味しくてもやめておこう、となる。これは常に自分の中に、「その価値の対価」があるからです。ジュースの価格が上昇しているから買おう、というものではありません。

それなのにインデックスファンドを買う人は、価格だけを見て価値を見ていません。価格が上がっているから買おう、という人が圧倒的に多い気がします。

お金の教育は幼少期から必要

そこで求められてくるのが、「お金の教育」です。

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岸田政権が「資産運用立国」という政策を立ち上げたとき、新NISAと両輪で新しい構想が立ち上がりました。J-FLEC(金融経済教育推進機構)です。

J-FLECとは、金融経済教育の機会を幅広く国民に提供していくことを目的に、金融広報中央委員会、全国銀行協会、日本証券業協会が発起人となって設立されたもの。もともとNISAは、イギリスのISAを見本にしたもので、イギリスにも長期資産のための教育機構のMAPSがあります。

お金の知識のない一般個人が、いきなり投資を始める前に留意すべきポイントがあります。株式市場がなぜ上がるか、なぜ下がるのか。それを理解したうえで行うのは当然であって、そのような知見を中立的に促す機関が2024年4月に正式に設置されたのです。