ステップ3 「買いの目標株価」と「ナンピン買いの目標株価」を決める

次に、投資対象企業(15社)の「買いの目標株価」と「ナンピン買いの目標株価」を決めます。それぞれ、過去5年分の株価チャートを見て決めていきます。

「買いの目標株価」は「1年に1度か2度付く安値」を目処とします。そして「ナンピン買いの目標株価」は、「5年に1度か2度付く安値」を目処とします。「買いの目標株価(最初の買い値)」から1~2割程度下がったところが「ナンピン買いの目標株価」になることが多いです。

なお、「5年に1度か2度付く安値」を見つける際には、「コロナショックの時期の安値」は除きます。2020年3月中旬前後に付いたコロナショックの時期の安値は「異常な安値」なので、それは度外視するのです。

ただし、これだけではシンプル過ぎます。このシンプルな方法で「買いの目標株価」と「ナンピン買いの目標株価」を見つけたら、その株価で「PBR(株価純資産倍率)」と「配当利回り(一株あたり配当金÷株価)」を計算します。

写真=iStock.com/Aslan Alphan
※写真はイメージです

なぜここで「PBR」の値と「配当利回り」の値を見るのかというと、これらの指標は「株価の下支えとなる水準」を示すことが多いからです。そして、ここで「PER(株価収益率)」の値を参照しない理由は、「PER」の値というのは、年度によって大きなブレが起こりやすく、株価の下支えとして機能しないことがあるからです。

そして、企業ごとの「過去の安値」における「PBR」の値と「配当利回り」の値が求められたら、株価チャートを見て決めた「買いの目標株価」と「ナンピン買いの目標株価」が、その「過去の安値」と比べても、「PBR」の値と「配当利回り」の面から見て遜色そんしょくがないかどうかを確認します。

このように、企業ごとの「過去の安値におけるPBRの値と配当利回りの値」を求めるのは、けっこう手間がかかります。しかしその手間を惜しんではいけません。世の中に「ラクにもうかる方法」などないのです。この過去データの調査はしっかりと手間をかけましょう。

こうして、過去の安値の事例と比較しながら「買いの目標株価」と「ナンピン買いの目標株価」の「PBR」の値と「配当利回り」の値に遜色がないことを確認し、「買いの目標株価」と「ナンピン買いの目標株価」を決めます。