理由その2、「光学2倍ズーム相当+マクロ撮影」のカメラが使える

もちろん、iPhone 16が買い得な理由はそれだけではない。第二の理由はカメラ機能の大幅進化だ。これまでのiPhoneはProモデルが3眼カメラ、無印モデルが2眼カメラというかたちに機能差を付けており、iPhone 16も2眼カメラのままなのだが、従来同様の広角撮影(26mm相当)、超広角撮影(13mm相当)に加え、広角撮影時に最大2倍の光学ズームイン撮影(52mm相当)、さらにマクロ撮影(近接拡大撮影)と空間写真撮影も可能になった。従来モデルと比べて撮影できる領域が劇的に拡大しており、写真好きならこれだけでもiPhone16を選ぶ理由になりそうだ

なお、聞き慣れない「空間写真」とは、2つのカメラを使ってその場の情景を立体的に記録した3D写真のこと。現時点では再生に約60万円もする『Apple Vision Pro』が必要など、撮っても見る方法が限定されているのだが、子供の成長など、「今を逃すともう撮れない」被写体を空間写真で撮影しておけば、いつかもっと手軽に再生できる環境が出てきたときに、当時の思い出をよりリアルに振り返ることができるだろう。なお、iPhone 16では空間写真のほか、その動画版である「空間ビデオ」の撮影にも無印モデルとして初対応する。

iPhone16のカメラコントロールボタン(出典=Apple公式サイト

新機能のカメラコントロールボタンで、デジカメのように半押し

さらに「iPhone 16」シリーズだけのカメラ新機能として、本体右側面に「カメラコントロール」ボタンが新設された。これは、タッチジェスチャーにも対応する物理シャッターボタンとも言うべきもので、半押しでピントを合わせ、さらに押し込むとシャッターを切るというデジカメライクな操作感に加え、左右スライドでズーム操作なども可能に。カメラを起動してない状態で押し込んでカメラを直接起動することもできる。

ちなみにボタンの追加と言えば、昨年のiPhone 15 Proで初搭載された「アクションボタン」がiPhone 16にも搭載された。長押しすることで消音モードやフラッシュライトのオンオフなど、さまざまなアクションをお好みで設定できるなかなか便利なボタンだ。ここしばらく、スマートフォンは部品点数を少しでも減らし、製造コストと故障リスクの低減を目指してきたのだが、賛否両論の大胆すぎるシンプル化でその先鞭をつけてきたアップルが、ここに来て突然の方針転換したことは要注目の動きだ。こうした独自ボタンの追加も、シンプル化が行き着くところまでいって差別化が難しくなってきたスマートフォンの新たなトレンドになるかもしれない。