「地道で誠実な仕事」がジャーナリズムの王道
繰り返しになるが記者会見は貴重な取材機会であり、追及すべき課題は追及したほうがいいことに対する異論はない。だが、記者会見で目立つことがあたかもジャーナリズムの実践だという意識がはびこる現状は変えたほうがいい。こんな時代が来たことには、正直困惑しかないが嘆いているだけでも始まらない。
社会に隠されている不正を暴く、あるいは隠されたストーリーを掘り起こして、ぶれない規律をもって確認された事実をもとに世に問う。新聞を含めたジャーナリズムにも王道に立ち返った仕事の数を競ってほしいし、SNS等々でも丁寧なアウトプットや分析を続けるメディアに脚光が当たるような環境ができることが望ましい。
時代は常に揺れ動く。
会見で目立つジャーナリストが脚光を浴びる時代から、その粗雑な振る舞いやアウトプットが呆れ果てられた先を構想しておきたい。いかにして、地道で誠実な仕事に光が当たる未来にもっていけるか。私も含めて現役世代にまずできることは、丁寧な仕事を積み上げることに尽きるのだろうが……。