「どっちもアリだね」こそ最強

複数の職業に携わる感覚を抵抗なく身につけるためにも、若いうちから副業を始めることは非常に大事です。

それによって複数の環境に身を置けば、それぞれ異なる価値観に触れられます。そのときに、どちらが正しいか正しくないかを選別するのではなく、「どっちもアリだね」と思えたら最強です。またほかの違う環境に身を置くことになっても、「これもアリだね」と柔軟に受け入れられるでしょう。

AIが台頭するこれからの時代、こうした緩やかな判断ができる、ちょっといい加減なくらいの人が生き残ります。

「『どっちもアリだね』なんて甘すぎる。一つを選んで極めるべきだ」などという考えが胸をよぎったとしたら、相当にヤバいと思ってください。

語学力のない親ほど子どもに語学を習わせがち

今後ますますグローバル化が進み、国境を越えたコミュニケーションが必要となってくることは明らかです。それを意識している親は、我が子の英語教育に力を入れます。とくに、自分の語学力に自信がない人ほど子どもに期待をかけ、早くから多額のお金を払って英語教室に通わせる傾向があるようです。

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今は、英語カリキュラムを導入している幼稚園もあり、人気を博しています。もちろん、小学生相手の英会話教室も百花繚乱です。

たしかに、そういうところに通っていれば、早くから流暢な発音を身につけることもできます。それを見た親は有頂天になって、「自分が苦手だった英語を、この子は使いこなせるようになってくれる」と喜ぶわけです。

しかし、どこで使いこなせるかについては極めて不明瞭です。その子が将来、日本国内に限られた仕事をするなら、その英語感覚も武器になるかもしれません。でも、海外で活躍させるには足りません。

というのも、これからはAIが翻訳業務を担ってくれるということがあるためです。加えて、英語力では上には上がいるからです。