世界で活躍する“非ネイティブ”のエリートはどんな英語を使うのか。製造メーカーでグローバル経営企画に携わり、社会人のための英語コーチも務めるはじさんは「世界の非ネイティブエリートたちは、中学レベルの簡単な単語を駆使することで、効率的に英語の表現の幅を広げている」という――。

※本稿は、はじ『世界の非ネイティブエリートはたった100語で話している』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

オフィスで立ち話をする人たち
写真=iStock.com/YurolaitsAlbert
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効率的に表現の幅を広げられる「多義語」

世界の非ネイティブエリートたちは、多義語を駆使することで、効率的に英語の表現の幅を広げています。

英語の多義語は、状況に応じて異なる意味を持つため、ひとつの単語をさまざまな文脈で使い回せる便利さがあります。

例えば、undergoは「経験する」や「受ける」という意味を持つTOEICの頻出単語です。

Employees will undergo training sessions next week.は「従業員は来週トレーニングセッションを受けます」という意味ですが、undergoは困難なことを経験するニュアンスが強いため、トレーニングが少し負担のようにネガティブに聞こえる可能性があります。

また、聞き手がundergoの意味を理解していない場合、円滑なコミュニケーションが難しくなる恐れがあります。

そこで、同じニュアンスを持つhaveで言い換えることで、トレーニングの目的を前向きに表現でき、日常的で親しみやすい単語をあえて使うことで、聞き手が理解しやすくシンプルに意図を伝えることができます。

このように中学レベルの簡単な単語を効果的に使いこなすことで、一つの単語から多くのニュアンスを引き出し、相手との会話をより簡潔かつ的確に進めることができるようになります。

このスキルは、英語が母語でないエリートたちが、効率よく英語で活躍するための大きな武器となっているのです。

haveとlastを使った非ネイティブエリート流の表現を紹介していきます。

「have」所有する、持っている、開催する…

主に「持っている」という意味で知られている「have」。しかし、実はhaveはこんなにもたくさんの意味があり、難しい単語を使うよりも、この一つでとても応用が利く単語なのです。1つずつ見ていきましょう。

コアイメージ:自分の領域内に持っている

haveは皆さんが知っているとおり、「所有する」の意味があります。その他に「(スキルを)持っている」「開催する」「含む」など、「持つ」イメージから想起される意味を、いくつも同時に備えています。「持つ」という状態を大きく捉え、そこから派生する「患う」「経験する」など、広い用途にも使えます。

表現できる意味①:所有する(own)

haveが表現できる最初の意味は「所有する」。難しい単語はownです。own以外に、haveにも所有するという意味があるので、このWe have a new office building.で言い換えることができます。

「私たちは新しいオフィスビルを所有しています」
難単語 We own a new office building.

言い換え We have a new office building.