根拠となる情報源を特定しやすいほうが信憑性が高い

冒頭の例を詳しく見てみましょう。

星友啓『スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長が教える 脳が一生忘れないインプット術』(あさ出版)

「科学者グループによると、地球温暖化は誤りで、極地の氷帽は拡大している」
「NASAの最新衛星データが、地球温暖化に伴う極地の氷帽の急激な融解を示す」

前者は「温暖化は誤り」ということですが、「科学者グループ」が誰のことを指すのかさっぱりわからず、極地の氷が増えているという主張のもとになる研究などを特定するのは難しいでしょう。

一方、後者は研究機関が「NASA」で、「最新衛星データ」による情報であると具体的に述べているので、前者と比べて根拠となる情報源を特定しやすいはずです。

つまり、この2つの見出しを見るだけでも、後者のほうが信憑性が高いと推測できるのです。

「それらしい説明」こそ疑ってかかるべき

また、主張の根拠は説明されているけれども、その出どころが全く示されていないパターンもあります。

いかに根拠の説明がそれらしいものであっても、出どころが示されていない場合は、さらなるチェックが必要です。

主張だけがあって、その理由も根拠も全く示されていない場合よりはいいかもしれませんが、それらしいものこそ疑ってかからなくてはいけません。

このように、根拠の出どころの有無とその特定のしやすさによって、記事や主張の信憑性を判断することができます。

信憑性は次の順番で下がっていくので注意しましょう。

1.文献が出ている

2.根拠の出どころが特定しやすい

3.根拠の出どころが特定しにくい

4.根拠の出どころがなく説明だけ

【出どころ特定】の基準として、インプットするときには常に意識しておきましょう。

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