「単独残留案」を選択肢に入れるべき理由
佳子さまと愛子さまにはぜひとも、現在、各政党間で協議が進められている「女性皇族単独残留案」(結婚後も内親王だけ皇族として留まる制度)を前向きに選択肢に入れていただきたい。
この制度の詳細は、新刊「『系図でたどる日本の皇族』(宝島社)で詳しい解説をしたが、家族内で身分が違うのは不自然と言う人もいるが、国際結婚で夫婦の国籍が違うとか、親子で違うこともあるわけで、それに比べれば、たいした不便ではないだろう。
待遇面では、愛子さまが結婚後、赤坂御用地内に御所を得ることも可能だ。国会議員宿舎に女性議員が民間人の夫と一緒に住んでるのと同じで不都合はない。
収入は、最大で年間税抜き3000万円の皇族費が出て、さらに配偶者の収入が加わるので、普通のサラリーマンと結婚しても裕福な生活が保証される。公務員や研究者でもいいわけで、愛子さまのお相手には外交官など最適だ。
愛子さま、佳子さまにご活躍していただく道
「光る君へ」の源倫子のように、両陛下の元で婿を迎えて穏やかに暮らせる。いまの制度で結婚して民間人になると、1億数千万円の一時金はもらえるものの、小室氏と結婚した眞子さんについて懸念されたように、元内親王としての品格が保てるかという懸念があった。新制度が適用されればそうした心配がなくなる。
女性皇族本人だけが皇族として留まるから、結婚相手が「自分も皇族になるのは窮屈だ」と及び腰になることもない。皇族になると姓もなくなり、婿養子になるのと同様だが、そういうこともない。
もちろん、佳子さまや愛子さまが、これまでどおり皇室離脱を好まれるなら止められないが、佳子さまには、悠仁さまが天皇になったときに、姉として支えてもらいたいし、皇室外交でも貴重な戦力である。
愛子さまは、体調が優れない雅子さまを身近で支えてもらえたら安心だ。公務でも、ときには雅子さまの代わりを務めて、陛下に同行していただければ雅子さまの負担も減る。
女性皇族単独残留案というのは、皇族女子が結婚しやすいだけでなく、その後まで個別具体的に見通して工夫された絶妙の提案なのだ。