志の高い医者は疲弊し、要領のいい医者が大儲けする不条理

カウンセリングや精神療法に十分な時間を割いて対応すれば、良くなる患者さんは確実に増えます。そうすると、評判が評判を呼んで予約が殺到するでしょう。しかし、1人ひとりの患者さんに時間をかけていると、診療できる患者さんの数は限られます。

しかも、現行の医療保険制度では、話を5分聞いても29分聞いても診療報酬は変わらないうえ(精神保健指定医による5分以上30分未満の通院精神療法の診療報酬は315点=3150円)、精神科を受診する患者さんは、きわめて繊細なメンタルの方が多いことから、カウンセリングを行うときには言葉使い一つとっても細やかな配慮を要します。

その結果、最初は「お金の問題じゃない」「心の病で苦しんでいる人を救いたい」という志に燃え、カウンセリングに時間を割いていた医者もどんどん疲弊していきます。