現代日本の政治システムにそのまま当てはまる
地域社会をじわじわと閉塞させるこの悪循環の構造は、そっくりそのまま現代日本の政治システムそのものにも当てはまる。
いわゆる「シルバー民主主義」をひっくり返すには、若者を一カ所に集中させて「数の論理」で押し返す(≒若者代表の政治家を国会に送り込む)必要がある。しかしながら、もはや若者は一カ所に集まったところでそこまで数がおらず、当落線上を争えるような候補者を十分に送り出すことができなくなっている。とくに小選挙区制になってしまったことでその傾向がさらに顕著になった。
若者は現行の政治制度・選挙制度では高齢者有利の意思決定に対してオフィシャルに風穴を開けることができなくなってしまっているので、私が例示した公園がそうであるように、とにかく数を集めて局所的に「ルール無視」ができるような戦略的互助関係の築かれたグループをつくっていく形で生き延びていくのだろう。実際のところ、起業家など若くて優秀なグループの若者たちと話をすると、「もうこの国が高齢者のために政治や税制をつくっているのはわかっているしそれをひっくり返すのは正攻法では無理なので、いかに国や行政から絞られず、その搾取の網目を潜り抜けられるかを、毎日仲間と知恵を出し合っている」というニュアンスの話ばかりを聞かされるようになった。
「日本の未来図」としか思えない
今日の話のしめくくりに、冒頭で紹介した画像をもう一度提示しておきたい。
これは見れば見るほど「日本の未来図」である。これほどまでに、私たちの社会が直面する景色を示しているものは少ない。
襲い来る「未来」の波から逃れられる場所はどこにあるのか?
自分や大切な人を「未来」から守るためにはどう行動すればよいのか?
なにも考えずに生きていくと早晩呑まれてしまう、そういうシビアな現実を私たちは生きているのだ。