これで「企業の求める人物像」がわかる
ですから、この本のような入社試験問題を解いてみて苦手だと感じた就活生の方がいたら、無理にコンサルティング業界などでの就活にこだわりすぎず、少し考え方を変えてみて、論理的思考力がそこまで必須ではない別の業界を視野に入れることが将来的な幸せにつながるかもしれません。
――では、企業側が求める人物像を就活生はどこから見つけることができるのでしょうか。
【曽和】ほとんどの企業が、求める人物像について「コミュニケーション能力」「主体性」「挑戦心」「協調性」「誠実性」のキーワードを掲げているので、正直わかりにくいですよね。これは企業側がもっと噛み砕いて説明するべき事項だと思います。
現実的な話をすると、企業の求める人物像を就活生が理解するためには、OB訪問や面接の逆質問を使うのがおすすめです。
例えば、コミュニケーション能力といっても傾聴力や交渉力、表現力、調和力などいろいろなベクトルがありますが、その企業はどれを重視しているのかを聞くことで、より理解が深まって周囲との差をつけられます。
また、企業ごとの仕事内容からも求める人物像を類推できます。一般的な仕事内容のイメージから、広告代理店ならコピーライティングを考えたりしますから好奇心旺盛でクリエイティブな思考が得意な人が必要そうですし、生命保険会社なら新規性よりもまずは既存の業務をしっかり安定的に遂行できる、誠実性のある人が求められそうだと想像できますよね。
逆質問ではこんなことを聞くといい
――入社試験からは少し離れてしまいますが、逆質問では何でも聞いていいのでしょうか。自己アピールの場だとばかり考えていました。
【曽和】逆質問の時間は、企業側が就活生に対して「就職したい」と思ってもらうための動機づけの場でもあるので、基本的に何でも聞いてしまって大丈夫です。その上で、できれば具体的な質問をするのがおすすめです。
企業理念といった抽象的な質問に対しては、答えも抽象的なものになってしまいがちですが、「御社で活躍する人はどんな人ですか?」というように回答者が実体験を思い浮かべながら話せる質問をすると、より具体的な回答が返ってきて理解が深まりますよね。