「内部通報者の保護」を即刻命令せよ

しかし、議員の不逮捕特権は重大な言論問題です。当直の若い裁判官たちは、書類を読み漁り、「国会の会期とは召集のあと閉会までをいう」という伊藤博文著『憲法義解けんぽうぎげ』の文言をみつけてから、逮捕は不可能であることを法的に明確化し、令状の発行を待っていた検事に「国会会期中の議員の拘束は憲法違反になる」と伊藤博文の著作を根拠に令状発行を拒否しました。検事たちも歓声をあげて帰ってゆきました。彼らも、実はこの拘束に反対だったのです。戦時中、暗黒政治の中でも司法関係者は勇気を奮って、憲法を守ったのです。

中野は、警視庁から憲兵隊に連行され、再び警視庁に戻り、それから地検思想部を経てさらに予審にまわされ、地検思想部にまた戻されたあげく釈放になりました。しかし、帰宅したその夜、割腹自殺をとげました。その理由は定かではありませんが息子を最前線に送るといった脅しがあったという説が有力です。

古い話になりましたが、今の日本はその頃に比べたらまだまだ自由です。なのに、鹿児島のケースといい、兵庫県のケースといい、権力に逆らえず忖度そんたくする人々が増えました。これがいずれ、日本をまた奈落の底に落とすことにならないか。それが私には心配です。

岸田総理、あなたはいろんな場所で国民の信頼を裏切っています。ここは、警察の身内による単なる特別監査ではなく、本部長と警察庁長官の停職、第三者機関による調査、本田警視正などの内部通報者としての保護を即刻命ずるべきだと考えます。

関連記事
なぜ皇室に1男2女をもたらした「良妻賢母」が嫌われるのか…紀子さまを攻撃する人たちの"本音"
教師の性犯罪裁判で傍聴できず「はて?」…横浜市教育委員会の組織的な隠蔽を暴いた女性記者たちの執念と連携
こんなにおいしい「ドル箱番組」は他にない…テレビ局が「警察密着」番組をやめられない"視聴率以外の理由"
なぜ孫正義社長は「すぐ電話をかけてくる」のか…仕事がデキる人がメールより電話を多用する本当の理由
英語で「Pardon?」と言ってはいけない…おかしすぎる学校英語の正しい言いかえ9選