埼玉で急成長しているのは川口と蕨

埼玉県はさいたま市大宮区、浦和区の安定ぶりが目立つ。代謝率は高く地価は順調に値上がりし、人口増の状態にある。急成長をしているのが川口と蕨だ。いずれも京浜東北線沿線で浦和や大宮よりも東京に近いことが成長の原動力になっている。

蕨駅西口ではタワーマンションが開発されており人気が高い。また川口は上野東京ラインの停車が決定し、東京までの利便性はさらに高まる。これからの更なる成長が期待される。

人気の京浜東北線だが、大宮以北の高崎線沿線となるとおもわしくない。上尾、桶川、北本はいずれも代謝率が低くなり地価は伸びず、人口は減少傾向にある。宇都宮線も白岡で代謝率は8.6%。地価もほとんど上がっていない。背景はニュータウンのオールド化だ。

東武線なら伊勢崎線より東上線に軍配

東武東上線はどうだろうか。朝霞、和光は狙い目だ。東京メトロにも乗り入れ、交通利便性は高い。代謝率が高く和光は18%台。地価上昇率は3.8%台。不動産価格も都心に近い割にリーズナブルだ。

だが東武東上線も北に向かうにしたがって代謝率が落ちてくる。高坂駅のある鳩山町には鳩山ニュータウンという1980年代に大変脚光を浴び、数々の街並み景観賞を受賞した街があるが、この街は代謝率が5.3%。やはりニュータウンが広がる小川町とともに地価は下落。住民の高齢化に伴い人口減少が続く街だ。

東武伊勢崎線沿線に目を移す。比較的都心にアクセスしやすい越谷や春日部だが代謝率は7%から8%と低位。地価上昇は鈍く人口減が続く。さらに北に向かい加須になると地価は下落に転じている。東武線は東上線沿線に軍配が上がる。

西武線沿線も元気がない。所沢で代謝率は8.8%、地価は2.58%の上昇を示すが、人口は減少傾向。飯能、秩父に入ると代謝率は下がり、地価は反応しない。

結論だ。埼玉県内で資産価値上昇を享受したいのであればJR沿線、大宮以南。東武東上線は志木あたりまで。伊勢崎線は越谷まで。西武線は所沢でもやや不安といったところか。