自分でビジネスを創出するのが一番早い

なかでも6号機は、アダルトグッズメーカー「TENGA(テンガ)」と共同で「TENGAロケット」を打ち上げるプロジェクトとなったのだが、これを発表したときは、ずいぶん批判されたものだ。「宇宙を宣伝に使うな、学術以外の用途はけしからん」というわけだ。

しかし、その6号機の打ち上げに成功すると、TENGAとのコラボ効果もあり、幅広い世間的関心を集めることができた。それまでは宇宙開発関係者やコアな宇宙ファンにしか注目されていなかったものが衆目を集めることとなり、我が社の小型ロケット開発事業に対する認知度も高まったのだ。

また、TENGAの人形モデルを宇宙空間に放出し、回収にも成功したことは、国内の民間企業による宇宙空間への物資放出および回収の初事例となった。

堀江貴文『ホリエモンのニッポン改造論』(SBクリエイティブ)

こうしたアイデアの実現を通じて、私は「宇宙をみんなのものとすること」の一歩前進に一役買うことができたと思っている。

何度も述べてきたことだが、民主化したときに、その産業はスケールする。そこから、ようやくさまざまな自由な発想がもたらされ、混じり合い、新しいビジネスが生まれる。今まさに民主化が進みつつある宇宙には、その可能性が満ちあふれているのである。

宇宙の民主化の波に乗るには、自分でプロダクトやサービスを立ち上げ、ビジネスを創出してしまうのが一番早い。だからこそ、特に若い人たちには、オタク気質の人もそうでない人も、どんどん宇宙に興味をもって、関わってきてほしいと願うばかりである。

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