「宇宙人」の存在や地球に迫る隕石はフィクションとは限らない。NASAは小惑星の軌道を衝撃を与えることで変えられるかどうか、という実験を行い、得られたデータを解析した。その結果はどうだったのか。JAXA宇宙教育センター長を務めていた2022年9月、実験前にウェビナーでの詳細の配信を企画した北川智子さんの著書『宇宙はなぜ面白いのか』(ポプラ新書)より、一部を紹介する――。
地球に近づく隕石
写真=iStock.com/3000ad
※写真はイメージです

太陽のまわりを回る8つの惑星

宇宙の遠い遠い場所には、完全に水に覆われた惑星もあるかもしれないという観測結果が発表されています。

みなさんにはおなじみの「水金地火木土天海」の太陽系は、太陽を中心に図が描かれます。太陽のように自ら光を出す星を恒星、地球のように恒星のまわりを周回する星を惑星と呼びます。惑星たちは、太陽のまわりを(正確には、太陽系の「質量の中心」となるところを)周期的にめぐる、いわゆる公転をしています。

昔、学校で冥王星も惑星のひとつと習ったという覚えのある方もいらっしゃるかと思いますが、2006年に国際天文学連合で惑星の定義が決められ、冥王星は惑星ではなく、準惑星のカテゴリーに入ることになりました。準惑星よりも小さい星は小惑星と呼ばれ、その数は数百万にのぼります。火星と木星の間には、小惑星帯という小さな天体がたくさん回っているゾーンがあります。

「第2の地球」を探査する

地球が太陽系の中にあるのはご存じの通りですが、太陽系の外にも、太陽のような星を周回する惑星が存在し、それらは太陽系外惑星、あるいは短くして系外惑星と呼ばれています。

系外惑星は、20世紀初頭からその存在は示されていたものの、1992年に、はじめて科学的な観測によって確認されました。2024年6月1日時点では、5741個もの系外惑星が確認されています。

多くの系外惑星があるのならば、どこかに生物がいてもいいのでは? という疑問が出てきます。系外惑星が発見され始めたのは30年ほど前のことですが、地球以外の生命への興味は、古くは紀元前5世紀のギリシャの記録にも残っているほどです。

日本の国立天文台も、ハワイのすばる望遠鏡に観測装置を設け、第二の地球を発見しようと観測を続けています。太陽系外惑星探査プロジェクト室のウェブサイトには「宇宙で私たち人類は特別な存在なのか、それとも、生命が育まれているような第2の地球は存在するか、という問いに答えたい」とあり、2005年に発足して以来、観測を続けています。系外惑星、特に地球に似た星の発見と地球外生命の関連性は強いのです。