「石丸伸二」とは誰なのか

石丸氏が次に何をするのか、みな知りたくて仕方がない。「岸田総理の選挙区ですよね」として広島1区を口にした途端、すわ衆院選出馬か、とメディアが沸く。現在はテレビのコメンテーターやタレントとして活躍するような首長経験者を集めた「石丸新党」への期待を口にする人も少なくない。

その一方で、彼のこれまでの発言から人の痛みがわからないのではないかと人間性に疑問を持ったり、政治家としての適性や温かな人間力、包容力に欠けているのではと直感的に指摘する声も根強い。

「いまの日本には大谷が必要」と日本の政界の人材不足を憂う藤川氏は、「一回ガラガラポンが起きないと」と、なんらかの革命に対して期待を隠さない。石丸伸二氏は今がピークであって、もうピークアウトするのではという懸念に対しても、「言動の不安定さはあるものの、極めて可能性に富んだ存在ではある」と断言する。

石丸伸二。彼は、誰なのだろう。何をしてみせるのだろう。だけどそれはこれからわかることだ。41歳、まだまだ若い。まずはやらせてみよう、という意見がメディアの中にもある。

M-1王者みたいに、一通りの報道番組に出た。本人不在でも、とにかく話したくて仕方ない、といった雰囲気で、石丸現象を分析し語る番組も少なくなかった。日本中が、メディアの凋落を可視化しながらメディアを巧みに利用する石丸伸二の登場に動揺していた。

「やらせてみよう」。7月31日、ABEMAの報道番組「ABEMA Prime」にコメンテーターとして初出演した石丸伸二氏は、MCであるひろゆき氏や進行の平石直行アナが「これからコメンテーターとしてもぜひ活躍してほしい」と促すと、「荷が重いです」と謙遜しながらも「使っていただけるなら、ぜひ」と意欲を隠さなかった。

彼の2周目が始まる。石丸伸二氏は、視聴者に、メディアに、政財界関係者に、彼の演説動画に魅せられて本当に一票を投じた有権者に、あの都知事選のような高揚感を提供し続けていくことができるのか、それとも……。彼の次の一手を、日本中が注視している。

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