相手の弱みを把握するチャンス

これがわかれば、相手から嫌な態度を取られたときに、心の中で「ふふん。それがあなたの弱みね」「あらあら、また恐れを暴露しちゃって」と思っておけばいいわけです。これだけでも、随分気持ちが楽になります。

直接反撃しなくてもいいので、心の中でマウンティング返しをしましょう。

言葉や態度に出さなければ、自分が何を思おうと自由です。誰にも迷惑をかけず、人間関係を悪化させることもありません。

さらに一歩先に進もうと思うのなら、相手を観察し、相手の弱みや恐れを把握してみましょう。マウンティングや高圧的な態度、コントロールやハラスメントの背景には、自分の居場所を求め、認めて欲しい存在欲求や承認欲求があるのです。

相手を観察することは、自分の視座を高めることにもつながります。

相手が何を恐れているかがわかれば、相手への見方が変わります。

言葉をかえると、相手が最も望んでいるもの(弱み)を把握したことになります。

相手の弱みを握り、心の中で相手より優位に立つことができれば、気持ちに余裕が生まれてくるのです。

自分に余裕ができれば、相手の望むものを与えて「あげる」ことができます。

承認欲求の高い「クレクレさん」に対する声かけ

例えば、存在欲求や承認欲求丸出しの「クレクレさん」には服や持ち物など、身に着けているものをほめる。会社での高い役職や仕事の結果やプロセスなど、その人の動きをほめることで、相手のコンプレックスを埋める、承認欲求を満たすことができます。

このときに効く声かけは「さすがですね!」です。

心の中では上から目線で、「しょうがないな、ほめてやるか」くらいの気持ちでいれば、笑顔も出てきます。実際はにっこり笑って、相手をほめてあげましょう。

神谷海帆『感情のメッセージに気づくと、人間関係はうまくいく』(三笠書房)

マウンティング返しは、相手と関わりたくないときは心の中ですればいいのです。

視座が上がって、心の余裕が出てきたときには、実際に相手へ働きかけたり話しかけたりして、態度に出してみるのもひとつの方法です。

言葉や態度に出すかどうかは、自分で決めて大丈夫です。

このマウンティング返しのプロセスでは、自分の中の「ちょっと嫌な部分」が出てくるかもしれません。

しかし、「人間なんだから、ときにはそんな自分があってもいいかな」と、「ブラックな自分」も許してあげましょう。

きっと気持ちが楽になると思います。

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