自分のステージが上がると、現実も変わる

悪口や反撃で嫌な人のために自分を下げるのではなく、社会的自己効力感を高めるチャンスに変えましょう。相手のために動くのではなく、自分の器を広げるために動くのです。

具体的には、次の2つのステップを踏みます。

ステップ① 嫌な人を許す
ステップ② 嫌な人を理解する

ステップ①の嫌な人を「許す」ですが、何も難しく考える必要はありません。「相手のレベルが低いからしょうがない」と思っておけばいいのです。

そう思えるようになったら、次のステップ②「理解する」に進みます。こちらも、難しく考える必要はありません。相手が嫌な態度を取る背景や、理由を想像してみましょう(あくまでもあなたの勝手な想像でOKです。正しい、間違っているは関係ありませんし、もちろん相手に確かめる必要もありません)。

勝手な想像でいいので、「この状況ならそんな態度になるよね」「そんなことも言いたくなるよね」と理解してあげられれば、人としての器が広がります。

そして、許すことと理解することができたら、「こんな嫌な人を理解できる自分って、すごい!」「器が広い証拠だ!」「ステージが上がった!」とポジティブに考えてしまいましょう。

嫌な相手のことを考えると、嫌な気持ちになります。

嫌な人のための時間をマイナスにせず、プラスに変えるのです。何に時間を使い、何にフォーカスするかは、あなたが決めることができるのですから。

簡単に関係を切れない嫌な人の存在を、自分の自己効力感を高め、心の器を広げ、自分を高めるチャンスに変えましょう。

自分が「ひとつ上のステージ」へ行くことができれば、相手との波動が合わなくなり、自然と現実も変わってきます。嫌な人に対して、「自分を高めてくれてありがとう」と、感謝できたら素晴らしいですね。

直接反撃せずに優位に立つ、「心の中のマウンティング返し」

マウンティングをしてくる人や高圧的な態度を取る人、人をコントロールしようとする人はやっかいで、とても嫌な気持ちになりますね。

女性社員に暴力的になる男性社員
写真=iStock.com/koumaru
※写真はイメージです

このタイプの人を目の前にすると、蛇に睨まれた蛙のようになってしまい、頭が真っ白になったり、萎縮したりして、いつもの力が発揮できなくなります。

いざ反撃しようとしても、自分が小さくなって固まってしまうので、反撃することができません。

コミュニケーションについて書かれた本を読んで対処法を学んでも、相手が怖くて具体的な行動が取れず、辛い状況からなかなか抜け出すことができません。反撃できないことをいいことに相手も攻撃を続けるので、辛い状況が変わらないのです。

これでは相手に直接、反撃するのは難しいでしょう。そこでどうするか。

このやっかいな状況では、直接ではなく、心の中でマウンティング返しをして、自分の視座を高めるチャンスに変えるのがお勧めです。

マウンティングをする人や、高圧的な人、ハラスメントをする人には共通点があります。それは、その人の心の奥底に恐れがあることです。

実はとても弱いからこそ、弱みを隠すために、自分を強く見せているのです。

相手より上の立場を取り、相手を抑えつけることによって、自分の立場を必死に守っているのです。そうしないと自分を保てないほど、弱いのです。

そこで、相手が何で抑えつけているのか観察してみましょう。

ブランドものや持ち物でマウンティングをしてくる人は、人の価値を身に着けるもので判断している人です。パワハラをしてくる人は、ポジションで人の優劣をつけている人です。

この相手のこだわりこそ、実は相手のコンプレックスなのです。

つまり、「マウンティングとは、恐れや弱さの暴露」であるのです。