5位:通勤距離3kmは「遠い」
筆者が10年前に移住して住み始めた場所は、勤務先から約3kmの場所でした。複数の同僚に「どこに住んでるの?」と尋ねられて、「○○X丁目」と答えると、ほぼ全員に「遠いな」と言われました。ありえない、ということでした。
移住前の首都圏の自宅から勤務先までは約20kmで、ドアツードアで電車も利用して約1時間。だから、3kmはすごく近く感じたのですが、感覚が全く異なるようです。筆者は移住後、職と住居も変え、現在は当初の移住先からさらに引っ越しして勤務地までの距離が約2.5km。天候が悪くなければ、自転車か徒歩で通勤するのですが、2.5km歩くと言うと、ほぼ全員が「うそでしょ」と怪訝な顔をします。歩いて移動するという発想がないのです。
4位:賃貸物件の家賃が意外と高い
地方では持ち家暮らしが主流で、賃貸物件に暮らすのは学生か転勤族がメインです。おそらく家族で暮らせる賃貸物件は借り上げ社宅(法人契約)が多く、そのせいか家賃が周辺の不動産相場より高く感じます。
青森県内の前住地では、新築の建売戸建ては平均2500万円程度と首都圏に比べれば格安でしたが、3LDKの賃貸物件の家賃は新築で平均12万円程度。首都圏などに比べれば安いでしょうが、すごく安いとも思いません。そもそも賃貸物件が少ないことが価格設定の背景にありそうです。賃貸物件検索サイトなどを利用するとわかると思いますが、賃貸物件がほとんどない市町村も少なくありません。
移住先の住居が築ウン10年の古民家級の物件でいいならともかく、ある程度の都市機能のある地域で賃貸暮らしを想定するなら、居住費はある程度見積もっておいたほうがいいと思います。
3位:お勧めの飲食店を尋ねると9割が「ラーメン屋」
青森県は三方を海に囲まれ、平地も山間部もあり、新鮮でおいしい食材がリーズナブルな値段で手に入ります。カロリーベースの食料自給率が100%を超えます。味噌や醤油メーカーもあり、県産品で食卓を容易に構成できます。
特に魚介類はリーズナブルで、首都圏在住時は切り身を購入して作っていたアクアパッツァは、鯛やメバルといった魚をこちらでは1尾で購入して作るのが当たり前になりました。首都圏の切り身2切れ分の値段でまるごと1尾で買えますし、桃は旬の時期なら無人販売で3個100円です。昨今の物価上昇もあり、月の食費は首都圏時代と変わりませんが、移住後、我が家の食事のクオリティは確実に向上しました。
筆者は調理好きですが、たまに外食したくなります。そこで、おすすめの飲食店を同僚などに尋ねると、答えは「ラーメン屋」が9割超でした。にぼしベースの出汁が効いたものや、みそカレー牛乳ラーメンという名物などがあり、とてもおいしいのです。ただ、せっかく食の宝庫なのにラーメン以外のお店が挙がらないのは不思議です。
では、とネットで検索してみると、コースディナーを3000円以下で提供するフレンチや、地元の素材にこだわったピザ店、近隣の漁港の魚を使った居酒屋など、実はいいお店がたくさんあることがわかりました。ところが、地元の人の回答は「知らない」「行ったことない」。食材に恵まれると、かえって外食のバラエティを求めなくなるのでしょうか。10年経っても謎です。