仕事と介護を両立させる5つのポイント
仕事と介護を両立させるためのポイントは5つあります。
1.職場に家族などの介護を行っていることを伝える
両立支援制度を活用するためはもちろん、同僚などにも介護中であることを知ってもらうことで、理解や協力を得やすくなります。介護休暇は、自らが介護をするための時間ではなく、仕事と両立するための体制を整えるための時間と捉えると良いでしょう。
2.自分で介護をしすぎない
介護を理由に離職した方は、「排泄や入浴介助」、「定期的な見守り」を行っていた方が多いのに対し、両立できている方は「入退院の手続き」や「介護の役割分担、サービスの手続き」などに時間を使っていることが多いです。直接介護することだけが親孝行ではありません。対応しなければならない時もあると思いますが、介護保険サービスを大いに活用し、専門家に支援を任せましょう。
3.介護に関する基礎的な知識を持つ
介護保険や、両立支援制度や相談窓口など、介護に関する基礎知識を持ち、わからないことがあれば「地域包括支援センター」や勤務先の人事、総務部などに相談しましょう。
介護ストレスのある人は「ヒヤリハット体験」が多い
4.ケアマネージャーと良好な信頼関係を築く
在宅介護の場合は、必要な支援やサービスを効果的に受けるため、ケアマネージャーとの信頼関係が特に大切です。介護者の悩みや不安を見つけることもケアマネージャーの仕事です。介護が必要な方の生活だけでなく、介護者自身のことについても、気軽に相談されると良いでしょう。
5.自分の時間を確保する
昨今、平均介護期間は5年で、10年以上は17.6%にも及びます。(生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査〈速報版〉」)長期にわたる介護は、介護者の健康にも大きな影響を与えます。例えば、介護ストレスのない人と介護ストレスのある人を比較して、仕事中にイライラをたびたびもしくはたまに感じると答えた方が前者は62.6%だったのに対し、後者は83.9%でした。また、ヒヤリハット体験においても、度々あると答えた方は前者で4.2%でしたが、後者では19.0%の方が度々あると答えています(労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.170(2015)」)。介護はロングランです。自分の時間を確保し適切な休息とリラックスをとることで、精神的および肉体的健康を保ちましょう。