住宅ローンを借りるなら「変動金利」+「資産運用」が最強

今後、インフレとともに不動産価格が高くなっていくことや、住宅ローンの実質負担が目減りすることを考えると、早めに家をゲットしておくのが吉です。

低金利で住宅ローンを借りると、毎月の返済額が少なくてすみます。同じ3500万円を借入期間35年で借りるにしても、金利1.8%なら毎月の返済額は11万2382円ですが、金利0.5%なら9万855円です。このように、低金利の住宅ローンを選ぶとそれだけで家計に余裕が生まれます。

さらに、低金利によって実現した余裕資金を資産運用することで、よりいっそうお得度を高めることができます。とくに変動金利で借りた場合、通常は0.5%以下の低金利になるため、固定金利を支払っているつもりで、「固定と変動の差額を運用する」ことで、金利を「実質0%」にすることも可能なのです。

「本当にそこまでの効果があるの?」と思われる人のために、さっそく以下の条件でシミュレーションしていきたいと思います。

・借入元本:3500万円
・返済年数:35年
・変動金利:0.5%

資産運用で金利の負担を実質0にできる

この条件のもと、「固定金利(1.8%)と変動金利(0.5%)との差額」を「株式投資で35年間、毎月積立投資で運用(投資リターンは年2%)」するといくらになるでしょうか? なお、変動金利は一定とします。

図表4の通り、固定金利と変動金利で比べると、月々の返済額として2万1527円が毎月浮くことになります。次に、この差額を年利2%の利回りで35年間積立投資をしたとすると、投資の利益総額は、約406万円です。この利益に対して約2割の税金がかかりますが、それでも税引後の利益が約325万円残ります。

一方、0.5%の金利で35年間借り続けたときに、支払わなくてはならない金利の総額(金利コスト)を計算してみると、約316万円です。

この結果を比べると、「資産運用で得られる収益325万円」に対して「負担する金利コスト316万円」ということになり、ほぼ一緒の金額になります。

つまり35年間のトータルで考えると「変動金利で毎月9.1万円を返済」しながら「毎月2.2万円の資産運用」を組み合わせることで、実質的に住宅ローン金利の負担をゼロにできるというわけです。