一人の親友に寄りかかりすぎると関係が崩壊する

米国ノースウェスタン大学のエレイン・チェンは、異なるニーズに応じて、異なる人間関係を持つことの重要性を指摘しています。

「仕事の愚痴を聞いてもらいたいときには、○○さん」
「楽しくお酒が飲みたいときは、○○さん」
「海外旅行に行くのなら、○○さん」

このようにバラエティに富んだ人間関係を持つようにしている人ほど、心理的に健康でいられるのだとチェンは述べています。

友だちが1人しかいないと、愚痴を言うときも、パーっと気分転換をしたいときにも、その人にしか頼ることができません。そのため、1人の友人にすべての負担がかかってしまいます。

すると友だちのほうも付き合いが大変だと思うようになり、関係が崩壊しやすくなるのです。

その点、異なるニーズに応じて人間関係を使い分けるようにすると、1人ひとりの友だちにかかる負担は分散され、付き合うのもそんなに大変だとは感じません。そのため、長い付き合いができるのです。

広く浅い付き合いのほうがお互いに疲れない

友だちをつくるときには、できるだけいろいろな人と付き合いましょう。

内藤誼人『すぐに実践したくなる すごく使える社会心理学テクニック』(日本実業出版社)

自分の交友関係のネットワークには、医者、弁護士、マスコミ関係者、学校の先生、美容師、警備員、空手の先生など、幅広い人を求めるべきです。

自分とは違った仕事の人と付き合うのは、けっこう楽しいものです。「へえ、そんなことがあるのか!」とびっくりするような話を聞けたりもします。

いろいろな人と付き合うと、楽しさや興奮、うれしさや幸福感など、ポジティブな感情を得やすくなります。1人の友人としか付き合わないと、そういう感情は得られません。

機会があれば、積極的に友だちを増やしましょう。

友だちが増えれば増えるほど、異なるニーズに応じた付き合いができるようになります。友だちが増えると、どうしても「広く浅い」付き合いになってしまいますが、かえってそれくらいの付き合いのほうがお互いに疲れないものです。

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