脳の老化を遅らせる睡眠方法

睡眠は、確かに大事ですが、無理に眠ろうとすると逆効果です。眠れないというストレスがかえって体に悪影響を及ぼします。

不安障害に対する独自の精神療法として、森田療法を考え出した森田正馬もりたまさたけさんという精神科医は、「寝なくちゃいけないと思うから不眠になる」と喝破しています。寝ることなんて自然現象なのですから、そんなに強迫的に考える必要はないと思います。

年を取って何が幸せかと言ったら、毎日、会社に行く義務がないことでしょう。睡眠も、眠らなければいけないから寝るんじゃなくて、眠くなったら寝られるわけです。そういう特権があるのですから、夜眠れないなら、朝でも昼でも眠くなったときに寝ればいいのです。

ちなみに私は、心不全になってから利尿剤を使っているので、夜中に目が覚めることが多くなりました。だいたい11時前くらいに寝るのですが、夜中に3〜4回、目が覚めて、6時半か7時くらいに何となくだるいなと思いながら起きるわけです。

和田秀樹『みんなボケるんだから恐れず軽やかに老いを味わい尽くす』(SBクリエイティブ)

だからベッドにいる時間は7〜8時間とっているのですが、睡眠時間は十分とは言えません。

それで昼寝を習慣にしています。医学的には、20分程度の昼寝が良いといわれていますが、私の場合は脳には良くないとされる1時間の昼寝。それより短くなると、何となくスカッとしないのです。

結局、医学的な根拠があろうがなかろうが、自分の感覚を重視したほうがいいと私は思っていますし、それで昼間働けているのですから、「ま、いいか」と。

とくに年を取ったらパーフェクトはありえないわけですから、「ま、いいか」と思うことは大事なような気がします。

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