「異常な人間の特殊な犯罪」で片付けていいのか
この母親は子どもの躾けに厳しく、自分の母親から「あんたは叱りすぎる」と窘められていたというから、溺愛しすぎて盲目になっていたのではないようだ。だが、親が見ているのは子どものごく一部分でしかない。
どうしたら自分の娘や息子の本当の姿や本音を知ることができるのだろう。そう悩んでいる親たちは多いのではないだろうか。専門家と称する人たちのトリセツ的な子育て論が役に立つとは到底思えない。
この2つの事件を、異常な人間が犯した特殊な犯罪と片付けてしまっていいのだろうか。
誰もが失敗する子育てだからこそ、失敗から学ぶことは多いし役に立つことも多いはずである。
早くも少年Aの事件は世間の関心が薄れ、忘れ去られようとしている。だが、この2つの猟奇殺人事件は、「子育て」という観点から今一度、徹底的に研究、分析される必要があると、私は考える。