若者には悪影響でもシニアには役立つものもある
ゲームやSNSに時間を費やすことは、たしかに若い世代にとってはマイナスかもしれません。しかし、シニアにとってはどうでしょうか?
新奇な情報に接することなく退屈な毎日を送るシニアにとっては、そういった刺激は救世主になり得ます。脳を活性化してくれるのです。
怪しげな出会いや誹謗中傷など悪い側面ばかりが注目されがちなSNSも、シニアに対してはとても大きな価値があります。社交性は加齢とともに落ちていく傾向がありますが、それを補ってくれるからです。
SNSでのやりとりだって、シニアにとっては貴重なコミュニケーションです。
時にエスカレートして熱くなることがあっても、それは脳への刺激でもあります。
物事を思い出す際には脳のシナプスが活性化します。しかし今の若い世代はスマホで検索してしまうため活性化しづらく、スマホは脳が衰える要因になっている、という説があります。
それはそれで一理あるのですが、やはりシニアにとっては事情が違います。シニアのシナプスは過去の積み重ねで十分に発達しているので、「あれ、なんだっけ?」と思い出す時間は、言ってしまえば必要ありません。
それよりは、さっとスマホで検索して時間を節約したほうがいいでしょう。脳が違えば、スマホとの付き合い方も変わるのです。
ドーパミンは加齢とともに減っていく
「ドーパミン」という名前を聞いたことがあるかもしれません。これは脳内の神経伝達物質で、心地よさや意欲と関係があることがわかっています。仕事や趣味などで大きな達成を成し遂げたときに、脳内ではドーパミンがドバッと分泌され、快感ややる気が生まれるのです。
ところがこのドーパミンは、加齢とともに減っていくことがわかっています。シニアの生活がなんとなく退屈に感じられてしまうことには、脳科学的な根拠もあるのです。一日中、鬱々とテレビを見続けているようなシニアの脳では、ドーパミンが枯渇してしまっているのでしょう。
でも、何歳であってもドーパミンを出すことは可能です。その手っ取り早い方法が、新しい刺激に接することです。そしてそのためにはデジタルが最適なんです。