年をとっても元気でいるにはどうすればいいか。脳神経内科医の内野勝行さんは「退屈な生活を送っていると脳の衰えが加速してしまう。高齢者こそ最新のデジタル機器を活用して脳に刺激を与えたほうがいい」という――。

※本稿は、内野勝行『退屈ボケの処方箋 脳はスマホで若返る』(辰巳出版)の一部を再編集したものです。

スマホを使用する高齢者
写真=iStock.com/Pornpak Khunatorn
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刺激のない生活が脳の衰えを加速する

人間の脳は、大きく大脳・小脳・脳幹の三つの領域に分けられます。

もっとも大きい大脳は、記憶や思考、感情、言葉、理性などさまざまな機能を司っており、担当する機能は部位によって違います。

小脳は頭の後ろのほうにあり、主に運動能力や身体を整える能力を司っています。そして脳の「付け根」にある脳幹は、呼吸や意識など、生命の基本的な機能を担当しています。

歳を重ねると、この脳が全体的に萎縮していきます。萎縮を止めるのは難しいのですが、やはり身体と同じように、栄養不足にならないように注意したり、トレーニングをしたりすることで衰えにブレーキをかけることは可能です。

そして、脳にとってのトレーニングが、刺激を受け取ったり、感情を揺さぶられたり、考えたりすることです。逆に、なんの刺激もない退屈な生活が脳に悪いのは、家にこもっていると身体の運動能力が落ちるのと同じですね。