いくつになっても健康でいるにはどうすればいいか。脳神経内科医の内野勝行さんは「高齢者ほど積極的にネットを使ったほうがいい。SNSの匿名アカウントで情報を発信するのも脳には良い刺激になる」という――。
※本稿は、内野勝行『退屈ボケの処方箋 脳はスマホで若返る』(辰巳出版)の一部を再編集したものです。
高齢者の脳は飽きっぽくなっている
私は、デジタルの悪影響がゼロだとは言いません。
たとえば、若い方が会話で「ショウノウ」という言葉を聞いて、スマホでその意味を調べたとします。すぐに「小脳」という単語に行きつき、その意味がわかるでしょう。
しかし、このように「最短ルート」で答えにたどり着いてしまうことには、デメリットもあります。答え以外の知識を身につける機会を逃してしまうからです。
ですが、多くの情報が詰まっているシニアの脳にとっては、知識を広げるよりも、知っているけれど出てこない情報にさっとアクセスできたほうがいいはずです。
また、よくゲームやスマホなどデジタルへの依存が問題視されますが、これもシニアにとっては悪い話ではありません。
というのも、シニアの脳は集中や忍耐が苦手です。
若い脳にとっては危険な依存性も、飽きっぽいシニアの脳にとっては、集中力の欠如を助けてくれる特性になり得るということです。