お風呂掃除をする時に親に言われなくてもプラスαできる子

豊島岡女子学園は、中学生から高校生まで6学年の生徒が在籍していますが、その中で友人や先輩・後輩から慕われる生徒を見てみると、ほぼ例外なく気遣いができる生徒ですね。クラブや委員会の先輩が、自分のことを考えて掛けてくれたちょっとした言葉や小さな思いやりがどんなに嬉しいか。

夢は、自分一人の力でかなえることはできません。多くの人に支えられ、助けてもらうことがあって初めて、実現できるものです。もし、自分の都合ばかり押しつけ、相手のことを考えることができない人間だったらどうでしょう。その人の夢の実現のためにと、手を差し伸べてもらえるような人になりたいですね。

また、気遣いというのは、突然できるようになるものではありません。毎日の生活の中のお手伝いといったちょっとしたことを通して、相手の立場に立って考える習慣を身に付けることができれば、とてもすてきなことだと思います。

お手伝いは、「自分で考えて取り組む」といった要素が含まれていれば、どんなことでも構いません。ただ、ある程度は任せることも必要になるので失敗したときに取り返しがつかなくなってしまうようなこと、例えばペットの健康管理などは、中学生、高校生くらいになってからのほうがいいかもしれません。

お風呂掃除などはどうでしょう。掃除をする時間帯は子供の日課などに合わせてある程度自由がききます。どんな掃除の仕方をすると効率的かなど、考える要素はたくさんあります。

どんな条件が揃うとカビが生えやすいかなども調べれば、自由研究にもなりそうですね。毎日きれいなお風呂に入ることができれば、家族のみんなから感謝され、やりがいも感じるでしょう。万が一、掃除を忘れたり、手を抜いたりすると、汚れたお湯で気持ち悪い思いをするという、わかりやすい結果に結びつきます(反対に言えば、失敗してもその程度なので、「取り返しがつかない」といったことにはなりません)。

「今日は暑いから、帰ってきたらすぐにお風呂に入りたいだろうな」「お母さん、肩こりがひどいって言ってたから、入浴剤を用意してあげようかな」といったことも考えてくれるようになるでしょう。

写真=iStock.com/TATSUSHI TAKADA
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