電動キックの弱点を解消する「サドル付き」
さきほど電動キックの改良ポイントをいくつか紹介したが、実は、電動キックにはどんなにハードが進歩しても越えられない壁がある。
それは「電動キック、楽じゃないぞ」という部分だ。
立ちっぱなしで疲れるうえ、案外小回りが利かないし、Gがかかって翌日は必ず筋肉痛になる(これが乗る人が若い人ばかりの理由だと私は思っている)。しかも、重心が高いためにふらつくし、改善されたといってもまだまだ段差が苦手。
つまり、何だかんだで長い時間乗っていられないわけだ。
ならば今後どうなるか。
座って乗れるサドル付きが登場だ。
それどころか電動スクーターみたいなのがすでに出てきている。乗ってみたら、これは楽で、楽しい。絶対に普及すると思う。
「電動サイクル」というそうだ。そして、手回しのいいことに、その電動サイクル、すでに「特例特定小型原動機付自転車」認定済みだという。
「ニアリー合法」による事故が増える
こういう20km/hまでOKなモビリティが、音もなくハイパワー(電動アシスト自転車の約3倍)で歩道を疾走するわけだ。間違いなく歩行者の巻き込み事故が爆増する。それが「未来の現実」だ。私は断言する。
そして絶望的なのは、その電動サイクルとやらが「ニアリー合法」であるという事実だ。オラオラな違法モペッドはどんどん取り締まればいいが、これは取り締まれないのだ。
もう昨今の道路行政、どうかしているとしか言いようがない。
関わったすべての人が泣いているし、疑問に思っている。いったい誰が誰のためにこれを進めているのだろうか?