ライトノベル系のメフィスト賞で2001年にデビュー。03年には『阿修羅ガール』で三島賞も受賞。いまやすっかり「純文学の人」となった感もある舞城王太郎。1973年、福井県生まれということ以外、プロフィールも顔写真も非公開の覆面作家であることも、当初はかなり話題になったが、いまはもうそんな注釈も不必要だろうか。

 『ディスコ探偵水曜日』は舞城王太郎の新作。上下巻で計1000謨超の大作だ。

 「俺」の名はディスコ・ウェンズディ。通称ディスコ水曜日。日本にいるときの仮の名は踊場水太郎。迷子探しを専門とするアメリカ人の探偵だ。――そんなミステリー仕立ての設定ではじまる本書は、しかし普通のミステリー小説ではない。