米国では支援金太りしたスタートアップも

事業が長期間にわたることへの不安もある。技術開発がうまくいかないケースも出てくるだろうし、10年もたてば世の中も変わる。できあがる頃には時代にそぐわなくなっていることもある。

内閣府は、「年に1回」「開始から3年目」などの節目に評価を行い、JAXAが中止などを検討するという。だが、宇宙事業では、これまでもいったん始めるとやめられずにずるずると続けることが何度もあった。評価をきちんと機能させるように、JAXAや資金を出した省庁などの責任をもっと明確にする必要があるだろう。

お手本にした米国では、最近は政府のスタートアップ支援の行き過ぎが、産業界などから問題視されている。NASAや国防総省など政府のお金を獲得し続けることが目的化し、自らビジネスで成功しようという意欲が薄れてきているという。民間の投資会社からも、投資を回収できなくなるという懸念の声が出ている。日本でも、同様の心配がある。