韓国は「世界でもっとも憂鬱な国」
まずこの韓国に蔓延する物質主義について、韓国内のいくつかの資料を取り上げておきたいと思います。あまり古いもの、日本の韓国関連情報(ブログや書籍など)で何度も取り上げられたものは、極力避けます。
韓国内でも「韓国人は物質主義が強い」という傾向が問題意識として定着している(でも改善はされないでいる)話として、比較的最近のものを2つ紹介します。どちらも、ちょうど本書の原稿を書いている間に見つけたものです。
まず、これは韓国以外の国でも話題になった見解ですが、インフルエンサーで有名作家でもある米国のマーク・マンソン氏が、韓国を「世界でもっとも憂鬱な国」とし、動画をアップロードしました。韓国では2024年1月28日『文化日報』などが報じています。
韓国社会は資本主義のポジティブな側面である「自分らしさの表現」などはあまり発現できておらず、お金稼ぎというネガティブな側面だけが強く現れていて、物質への執着が強すぎるといった主張です。
「解決」「改革」を実現するのは難しい
ちなみにマーク・マンソン氏は韓国の儒教思想についても、「儒教のいいところである家族や社会のコミュニティの親密さは受け入れず、儒教的基準を強調しながらも個人的成功にこだわりすぎだ」とも話しましたが、本書の内容とも部分的にオーバーラップする主張であり、個人的に大いに同意します。ただ、細かい意見の相違もあります。
マーク・マンソン氏は「韓国人はこれらの問題を解決しようとするスーパーパワーを持っている」としました。しかし私は、韓国の人々は口では「解決」「改革」を主張するものの、実際は「その問題を作った人たち」と同じやり方を選ぶと考えています。
不動産投資のせいで次の世代の「社会間の階層移動」(簡単に言えば出世、資金蓄積など)が不可能になったとの問題を強く指摘しながら、自分たちはまた不動産投資にすべてをかけていることも、矛盾の現れのひとつです。