一瞬で雰囲気を凍らせる「で?」

「言われたことだけやればいいから」「逆に何ならできる?」

このワードが出てくる場面は、上司が指示した通りにできなかったときや、部下が要らない提案をしてきたときでしょう。この言葉を言われると、部下は腹立たしさとともに、仕事へのモチベーションが激しく下がります。言われたとおりにできないのは上司側の説明不足や手順が分からないことが要因です。提案をしているのは貢献したい気持ちの表れと改善の芽です。否定する前に「どうしてそう考えたの」「このやり方のほうが間違いづらいよ」とじっくり傾聴し手順を一緒に再確認することが肝要です。

「で?」「つまり?」「終わり?」

単語でしか返さない例です。一発で雰囲気が悪化し、メンタルに刺さる圧のある言葉です。上司としては、時間に追われて「今それどころじゃない!」というタイミングも確かにあります。ただ、報連相が何のためにあるのか、それが何に影響するのかを身をもって学んでいる新卒社員にこの声がけをしたところで、正しい報連相は本人に身につくはずもありません。

ただでさえ上司に報告するのは緊張するものです。高圧的な態度に委縮し、今後何も言い出せなくなるでしょう。受容し、「ここはいいね」「ここはどうやって考えたの」「ほかにもここはどうだろう」と相槌や言葉数を多くして、汲み取る姿勢に終始しましょう。

また、どうしてもタイミング的に難しい場合には「報告ありがとう」の感謝の言葉をまずかけてから、「今は難しい状況だから、今日の○時ぐらいにこちらから声をかけるね」といったように、報告のアクションに対しての称賛と改めての時間指定をすることで、気にかけてもらえる安心感が得られ、エンゲージメントも高まるでしょう。

世代でくくる発言もNG

「もう学生じゃないんだからさ」「これだからゆとりは……」

世代に対してカテゴライズするワードです。このワードが出るシーンは、例えば時間にルーズだったり、言葉遣いがおかしかったり、身勝手な発言(発信)であったりと社会人としての未熟さが露呈したときが多いでしょう。

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いずれも本来の指導すべき点を指導せず、世代のせいにしてしまっているので、不快感しか残りません。言われた本人も、腹の中で「ご自身の若い時はどうでした?」と毒づく事はあっても、何が直す点だったのかという視点には至りません。

「最近の若い人は……」などと言われたことのある人も多いはずです。自身の不快な経験を次の世代に引き継ぐことはスマートではありません。例えば「遅刻は準備していた人の時間を奪ってしまうよ」「その場合はこの話し方だね」等その事象に対してわかりやすく伝えることを心掛けてください。